06 ムーブメントチェア基本動作

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※動画(音声のみ)を聞きながら以下の解説をご覧いただけます。

ようこそ、ムーブメントチェア基本動作解説ページへ

このページでは、あなたの毎日をより快適で活力あるものに変える、ムーブメントチェアの基本的な使い方を図と共にご紹介します。

ムーブメントチェアは、従来の「座る」という概念を超え、座りながら身体を心地よく動かすことで、長時間の座位による身体の負担を軽減し、本来の健やかさを引き出すための新しいセルフケアツールです。

初めてムーブメントチェアに触れる方は、「どのように座ればいいのだろう?」「どんな動きをすれば効果的なのだろう?」と感じるかもしれません。ご安心ください。ムーブメントチェアの操作は直感的で、難しい決まりはありません。

ここでは、ムーブメントチェアが持つポテンシャルを最大限に引き出し、その心地よさを体感していただくための、最も基本的な動作を分かりやすく解説します。一つ一つの動きを丁寧にご案内しますので、ぜひリラックスした状態で、ご自身のペースで試してみてください。もし分からないことがあれば、お気軽にサポート係にお問い合わせください。

これらの基本動作をマスターすることで、あなたは座りながらにして、身体の深部の筋肉を活性化させ、関節の可動域を広げ、全身の血行を促進することができるでしょう。

さあ、ムーブメントチェアとの新しい対話の始まりです。図解と解説を参考に、あなたの身体が喜ぶ動きをゆっくりと見つけていきましょう。

1.ムーブメントチェアの説明

支持部

支持部には、アジャスター、ヘッド部、把持部が支持されています。

アジャスター

アジャスターは、支持部に移動可能に支持されており、着座時に仙骨部から頸部までを支えます。

ヘッド部

着座者が後屈した際、頭部に接触する位置に調整します。支持部との接触圧力を和らげるためのクッションの役割を持ちます。

座部

着座者が着座する座部には、「足掛け部」があり、股関節を伸展した際、着座者の太ももの内側と座部後方エリアの縁部に接触して脚をかけることで、伸展のストレッチ効果を高めることができます。

把持部

上、中、下段にそれぞれ把持部が設けられています。各把持部を把持することで、腕、肩、胸、腹、腰背部の広範囲の筋群のストレッチが可能となります。

2.基本姿勢

通常座位

アジャスターが背中に接触した状態です。

アジャスターを心地よい位置に調整して座ってください。

アジャスター増設

アジャスターを腰部から仙骨に支持する際はアジャスターを増設することで、お好みの座り心地を調整することができます。

3.実施例

ここでは実施例を25種類ご紹介します。ムーブメントチェアによるセルフケアは、各姿勢、動き、アジャスターの位置、力の入れ方、呼吸により筋群のストレッチ感が変化しますので、適切な位置変更を行いながらセルフケアを進めてください。

把持部

対象部位:首、肩、胸、腹、腰背部、肘

①把持部(下段)

把持部(下段)を把持下姿勢です。

把持部をつかみ、身体を支えながら動かすことは、身体の歪みを整えるだけではなく、安全にセルフケアを行うためにも必要です。

ストレッチ感の調整について

アジャスターの位置

胸を開くこの姿勢では、アジャスターが肩甲骨に近づくほ胸、首、腕へのストレッチ感が強くなります。

動き、力の入れ方

この姿勢は、肩関節の他に、肘関節を補正します。

日常生活では肘関節は屈曲と内側に捻じられた(回内)状態が維持されることが多くなります。

それに伴う歪みを補正するために、把持部下段に把持することで、肘関節が外側に捻じられ(回外)、回内により収縮し続ける筋群を伸ばし補正に働きかけます。

把持した腕に力を入れる方向で、アジャスターの圧力を強めながら、ストレッチ感を変化させることもできます。

呼吸(呼気・吸気による違い)

深くゆっくり呼吸をしたり、最大呼気(吐ききって止める)、や、最大吸気(吸いきって止める)ことで、ストレッチに働きかける強さや範囲が変わります。

また、アジャスターに位置により、呼吸によるストレッチ感が変化します。

これを意識することにより、呼吸の深さが変化します。

②把持部(下段)+浅く後屈

反復圧

「①」の姿勢から、浅い後屈を繰り返す反復圧により少しずつ楽に後屈できるようになります。楽に後屈できるようになるまでは反復圧を実施するようにしてください。

持続圧

前傾から背中をアジャスターで支持しながら後屈状態を保つことで、肩~胸のストレッチ感が増すとともに、呼吸が深くできる感覚が得られます。

③把持部(下段)+深く後屈

反復圧

「①」または「②」の姿勢から反復圧により背骨の動きを回復させます。痛みが出る場合は、「①」または「②」の浅い後屈の範囲で実施してください。

持続圧

前傾から背中をアジャスターで支持しながら深く後屈状態を保つことで、首、肩、胸、腹、腰背部、前腕のストレッチ感が強くなります。この姿勢で両肘を内側に寄せることで更にストレッチ感を強めることができます。

※持続圧による接触が強く感じたり、息苦しく感じる場合は、無理をせず、浅い後屈を繰り返す反復圧を心地よい範囲で行うことで、日に日に楽に後屈できるようになります。楽に後屈できるようになるまでは浅い反復圧を心地よい範囲で実施するようにしてください。

④把持部(中段)

対象部位:首、肩、腕、胸、背中、腹

この姿勢は③の持続圧が心地よくできる方が実施してください。

対象部位、特に胸部のストレッチ感が強まります。

把持する位置や力の入れ具合により、肩~背中のストレッチ感が変化します。

アジャスターの位置により、首、肩、腕、胸、背中、腹のストレッチ感が変化します。

把持部(上段)

対象部位:胸、腹、肩、背中、腕、腰、首

⑤把持部(上)

対象部位全体へのストレッチ感が強まります。

把持する位置や力の入れ具合により、ストレッチ感が変化します。

アジャスターの位置により、対象部位のストレッチ感が変化します。

アジャスター(頸部)

首へのアプローチ

アジャスターを首の位置に移動。

⑥首補正

首の前傾の歪みを生理的弯曲に補正します。この時、腕は把持部下段の後方に垂らして脱力しつつ、胸、肩を開く姿勢をとります。

⑦首補正(右)

⑥の姿勢から首を左に向け、右側の胸鎖乳突筋を伸ばします。

首の向け具合によりストレッチ感が変化しますので、心地よい位置で反復、もしくは持続的に補正を実施してください。

⑧首補正(左)

首を右に向け、左側の胸鎖乳突筋を伸ばします。この時、左右差があれば、日常生活でどの動きにより身体の左右差が出ているのかを振り返ることで、何気ない動作を見直すことができます。

⑨首(前後)

顔を正面に向けます。

顎を引きながら頭部を後方に後屈することで、上部頸椎の補正を行います。強く押し付けず、軽く頸部への反復圧を繰り返します。猫背が癖になっている首は、顔が前に突き出る傾向があります。

顎を引きながら頭部を後屈することで、猫背により歪んだ上部頸椎の補正し、そこにアジャスターが接触することで、筋群のストレッチを強めることができます。この動きに痛みがある場合は直ちに中止し、これまでの痛みがなく心地よい動きを探して実施してください。

⑩首+把持部(上段)

アジャスターを首の位置のまま、

把持部上段をつかみます。

・首の前傾の歪みが生理的弯曲に補正

・上に引き上げられた肩甲骨を下方に補正

首の付け根(僧帽筋)、肩甲骨の動きを促します。特にデスクワークでは、肩甲骨が外方だけではなく、上方に引き上げられるため、肩甲骨を下方に下げるアプローチは姿勢を整える重要な補正となります。

把持部(下段)+股関節伸展

対象部位:胸、腹、肩、背中、腕、腰、首、股関節

⑪把持部(下段)+股関節伸展(弱)

把持部(下段)を把持してから股関節の伸展動作を開始します。

股関節伸展範囲は無理が無い程度、最初は少し浅めに動かし、股関節に痛みが起こらないかを確認してください。

痛みが起こる場合は、痛みが起こらない位置に脚の位置を戻してください。

アジャスターの位置を変更することにより、ストレッチに働きかける筋群が変化します。

⑫把持部(下段)+股関節伸展(弱)+後屈

⑪の状態からゆっくり後屈します。可能であればヘッド部に頭部を接触するところまで後屈します。途中で痛みが起こる場合は心地よい範囲で後屈を実施してください。

後屈の動きに不安がある方、または股関節伸展がきつい感覚があれば、股関節の伸展角度をさらに弱めるなどして、ご自身のできる範囲を把握して次回の実施の参考にしてください。

心地よいストレッチ感があればその位置まで実施してください。

●反復圧:「⑪」の姿勢から状態を後屈させて、反復圧を繰り返します。ヘッド部に頭部を付く位置まで可動できない、または痛みが出る場合は、動かせられる範囲、心地よい範囲で実施してください。

●持続圧:反復圧により背骨の可動が柔らかくなったことを確認したら、ヘッド部に頭部を接触して持続圧を実施してください。

持続圧をかける際、辛さ、痛みが起こる場合は、股関節の伸展を緩めることで、痛みが軽減する場合があります。それでも改善しない場合は身体を起こし、これまで実施して心地よい動きのみを行ってください。

⑬把持部(下段)+股関節伸展(中)+後屈

⑫の姿勢でも痛みが無い、もしくは⑫の辛さが軽減し、更に伸ばせる場合は少しずつ伸展角度を深めてみてください。ただし、痛みは一瞬で起こり、その後持続してしまう場合がありますので、無理をしないように実施してください。

⑭把持部(下段)+股関節伸展(強)

⑬までの伸展角度でも余裕がある方は、更に股関節の伸展動作を深めてみてください。

股関節の伸展が深くなる度に、座位姿勢により収縮し続けた筋群のストレッチ感が強く広くなります。

また、アジャスターの位置を変更することにより、ストレッチに働きかける筋群が変化します。

⑮把持部(下段)+股関節伸展(強)+後屈

⑭の状態からゆっくり後屈します。可能であれば頭部をヘッド部に接触する位置まで後屈します。途中で痛みが起こる場合は心地よい範囲で後屈を実施してください。

後屈の動きに不安がある方、または股関節伸展がきつい感覚があれば、股関節の伸展角度をさらに弱めるなどして、ご自身のできる範囲を把握して次回の実施の参考にしてください。

心地よいストレッチ感があればその位置まで実施してください。

●反復圧:「⑭」の姿勢から状態を後屈させて、反復圧を繰り返します。ヘッド部に頭部を付く位置まで可動できない、または痛みが出る場合は、可動できる範囲、心地よい範囲で実施してください。

●持続圧:反復圧により背骨の可動が柔らかくなったことを確認したら、ヘッド部に頭部を接触して持続圧を実施してください。

持続圧をかける際、辛さ、痛みが起こる場合は、股関節の伸展を緩めることで、痛みが軽減する場合があります。それでも改善しない場合は身体を起こし、これまで実施して心地よい動きのみを行ってください。

●左右差:⑪~⑮までの股関節伸展動作を左右実施した際、可動性の違い、感覚の違い等があれば、それが現在のあなたのバランスの左右差です。即座にそのバランスを取ろうとせず、日々その違いを記録することで、過去の身体の変化がはっきりわかるようになります。

把持部(中段)+股関節伸展

⑯把持部(中段)+股関節伸展

把持部下段同様、股関節を伸展する際、伸展角度により痛みが起こらないように充分注意し、心地よい範囲実施し、可能であれば徐々に伸展角度を深めてください。

把持部(中段)に把持する前に、把持部(下段)で肩回りの筋群をストレッチし、可動性を高めてから実施してください。把持部につかむ際は、把持部の位置を確認し、片方ずつ把持してください。その際、最後の一方をつかもうとする途中で痛みが起こった場合は、無理に実施すると痛みが増強する場合がありますので、まずは把持部(下段)でのセルフケアを中心に実施してください。

アジャスターは上部胸椎(肩甲骨付近)に近づくほど、ストレッチ感が強まります。

●左右差:左右実施した際、可動性の違い、感覚の違い等があれば、それが現在のあなたのバランスの左右差です。即座にそのバランスを取ろうとせず、日々その違いを記録することで、過去の身体の変化がはっきりわかるようになります。

把持部(上段)+股関節伸展

⑰把持部(上段)+股関節伸展

把持部下段同様、股関節を伸展する際、伸展角度により痛みが起こらないように充分注意し、心地よい範囲で実施し、可能であれば徐々に伸展角度を深めてください。

把持部(上段)を把持する前に、把持部(下段)、(中段)で肩回りの筋群をストレッチし、可動性を高めてから実施してください。把持部につかむ際は、把持部の位置を確認し、片方ずつ把持してください。その際、最後の一方をつかもうとする途中で痛みが起こった場合は、無理に実施すると痛みが増強する場合がありますので、実施可能な把持部でのセルフケアを中心に実施してください。

アジャスターは上部胸椎(肩甲骨付近)に近づくほど、ストレッチ感が強まります。

●足の接地:足の甲で接地するストレッチ感と、つま先(指)で接地するストレッチ感に違いがあり、特に太もも前面、脛への伸び具合が変化します。心地よく実施できる方は、より多くの筋群にアプローチするために、様々な姿勢での実施を試みてください。

●左右差:左右実施した際、可動性の違い、感覚の違いがある場合、それがバランスの左右差です。日常動作では、左右の動きをバランスよく維持することはできません。そのバランス差に気づかず過ごしていると、その差が拡大し、歪み、不調に至ります。

ムーブメントチェアに座って初めて気づく左右差がありますが、即座にそのバランスを取ろうとせず、まずは、心地よい動きを優先して実施することでバランスが整い、可動、感覚の差が徐々に少なくなっていきます。日々その違いを記録することで、過去の身体の変化がはっきりわかるようになります。

支持部把持

⑱支持部把持(高位)

支持部(高位)に把持することで肩甲骨外側から脇腹(腹部側面)へのアプローチを加えることができます。また肘に外側から内側えと動きを加えることで、ストレッチ感が変化します。

アジャスターは上部胸椎(肩甲骨付近)に近づくほど、ストレッチ感が強まります。

⑲支持部把持(中位)

支持部(中位)に把持することで、上腕へのストレッチ感を強めることができます。また、肘に外側から内側へと動きを加えることで、ストレッチ感が変化します。

把持部(中段)2

⑳把持部(中段)2

肘関節は屈曲と回内が維持されることが多く、把持部中段に把持することで、肘関節を伸展、回外することにより、屈曲、回内により収縮し続ける筋群に伸ばし補正に働きかけます。また、デスクワーク等で外側に変位する肩甲骨を内側に寄せて補正に働きかけます。図に示すようにに片方ずつつかみ、もう一方を把持する際、痛みが出る場合は、この姿勢を実施せず、把持部下段で肩関節から腕部にアプローチしてください。

捻じり

㉑支持部(中位)捻じり

支持部(中位)を把持し、もう一方の腕は対側の太ももに引っ掛けながら上体を捻じります。身体を捻じる動きは、広範囲の筋肉をストレッチするための重要な動作です。

首、肩、背中の筋群の重さが抜けない理由の一つとして、肩甲骨が外側に変位し、可動性が低下した状態による場合が多く、これは、特にデスクワークなどで、腕が前に置かれている時間が長いケースが考えられます。肩甲骨の可動性を回復させるためには、肩甲骨を外側から内側に戻す方向に働きかける必要があります。

支持部をつかんだ側の腕は、肘を曲げ、胸を張り、身体を捻じった方向に体重をかけながら肩甲骨を内側に寄せることで肩甲骨の補正する力を充分に伝えることができます。

●左右差:デスクワークでの腕の使い方により左右差が感じられます。これまでと同様、心地よい程度の動きを探り、実施してください。この捻じりの動きは広範囲の筋群に作用しますので、これまでの動きも組み合わせながら動きにも変化がみられる場合があります。様々な動きを挟みながら、効果的な動きを探ってみてください。

㉒把持部(下段)捻じり

対側の把持部下段をつかみ、身体を捻じります。前述の支持部中位捻じりとは逆の補正となります。身体の動きを良好に保つためには様々な方向に可動できるよう働きかける必要があります。そのため、肩甲骨を外側に伸ばす方向への動きも実施します。

肩甲骨を外側に動かすよう意識したり、下方向に下げるよう意識することで、伸びる筋肉に違いを感じることができます。心地よい方向を探りながら実施してください。

●左右差:デスクワークでの腕の使い方により左右差が感じられます。これまでと同様、心地よい程度の動きを探り、実施してください。この捻じりの動きは広範囲の筋群に作用しますので、これまでの動きを組み合わせることで、ストレッチ感や可動域に変化がみられる場合があります。様々な動きを挟みながら、効果的な動きを探ってみてください。

㉓把持部(下段)+股関節屈曲内転内旋(捻じり)

座位姿勢では、臀部、大腿部に体重がかかり続けると、下肢の血流が悪くなります。これまで股関節の伸展へのアプローチを実施しましたが、他の関節と同様に、身体の動きを良好に保つためには様々な方向に関節が可動できるよう働きかける必要があります。そのため、股関節を屈曲、内転、内旋することで、骨盤全体の筋群の可動性を高めます。

把持部下段を把持し、股関節を屈曲、内転、内旋、脚を対側へクロスさせながら、もう一方の対側側の腕(前腕部)で対側の太もも外側を支え、引き寄せます。引き寄せる強さを調整して上半身との捻じり、肩、背中、腰、股関節、太もも外側の広範囲をストレッチします。

●左右差:肩から股関節は連動しており、座位姿勢では気づかない股関節の左右差が感じられます。不調側の肩と同側の股関節、または対側の股関節に動きにくさ、感覚の違いなど日頃の身体の使い方により左右差がでるため、これらは日によって違う場合があります。この左右差を意識することで、日頃のどの動きで左右差が起こるのかが分かるようになります。この気づきがあることにより、「補正」頻度を増やすことができ、不調となる前に歪みを予防することができます。

㉔把持部(中段)捻じり

基本動作の中で最も広範囲の筋肉、関節に作用します。対側の把持部中段を把持する動作は、これまで全く経験したことがない範囲のストレッチとなりますので、㉓までの動作が全て無理なくできる方のみがトライしてください。

座位状態から対側の把持部中段と、支持部中位を把持し、身体全体を大きく捻じります。この状態で頭を前に倒していくと、ストレッチ強度が更に強まります。

また脚の置く位置を変えることでストレッチ感が変化します。

●左右差:肩から股関節は連動しており、座位姿勢では気づかない股関節の左右差が感じられます。不調側の肩と同側の股関節、または対側の股関節に動きにくさ、感覚の違いなど日頃の身体の使い方により左右差がでるため、これらは日によって違う場合があります。この左右差を意識することで、日頃のどの動きで左右差が起こるのかが分かるようになります。この気づきがあることにより、「補正」頻度を増やすことができ、不調となる前に歪みを予防することができます。

前屈+股関節屈曲・膝関節伸展

㉕前屈+股関節屈曲+膝関節伸展

椅子での座位姿勢は必ず股関節が屈曲した状態が維持されます。これまでお伝えしてきた通り、身体の歪みは同じ姿勢が維持されることにより起こります。そのため、何か一つの方向に動かせば歪みを整えることができる、ということではありません。ムーブメントチェアでは、座位姿勢による歪みに関わる筋群を「より多く」「より広範囲」に補正に誘導する構造をしていますが、全ての歪みにアプローチできません。

この前屈、股関節屈曲、膝関節伸展の動きは、いつでもどこでもできるストレッチです。だからこそ、この動き「だけ」に偏り、他の筋群へのケアが行き届かず、バランスが整わない方もおられます。

広範囲の筋群、関節をバランスよく、高頻度に動かすことが重要であり、この動きも、他の動きがケアされるからこそ、最大の効果を引き出すことができます。

ハムストリングの収縮は、肩、腰背部、臀部、ふくらはぎ、足首、つま先まで影響します。この動きにつま先の動きを加えることで、ストレッチの強度を調整することができます。柔軟性を取り戻す、ということではなく、筋肉を心地よく伸ばすことを目標として実施してください。

まとめ

これまで基本的動作を解説しました。この基本動作に関わらず、あなたに合わせた独自の動作などがあれば、サポートまでご提案ください。

また、日々実施するこれらの基本動作を記録することで、自身の身体の歪み、変化を客観的に確認することができます。この基本動作を元に作成したセルフケア記録シートを活用して、セルフケア構築に役立ててください。

>セルフケア記録シートの解説ページへ

ムーブメントチェアによるセルフケアは、あなた自身の手で身体を整え、心地よさを引き出すための積極的な試みです。このページでご紹介した基本動作をマスターし、ご自身の身体と向き合う時間を持つことで、あなたはきっと、これまで以上に自分の身体を理解し、コントロールできるようになるでしょう。さあ、今日から新しいセルフケアの習慣を始めましょう。

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